東京経済大学様の Astra Manager 活用術

痒いところに手が届く仕様、研究用途では最も使えるサービス

学部生の授業で利用、図書館では順番待ちも

 大倉財閥の創設者である大倉喜八郎が、1900年に創立した大倉商業学校を前身とする東京経済大学。社会科学を実践的に学べる文系総合大学で、国分寺キャンパスにある2012年竣工の新5号館と14年開館の新図書館はともに14年のグッドデザイン賞を受賞した。QUICKのAstra Managerは学生も利用できるようにと図書館にある。日本経済新聞社が主催する「日経STOCKリーグ」や日銀が開催する小論文・プレゼンテーションのコンテスト「日銀グランプリ」などに応募するため、夏休み明けから冬休み頃までは閉館時間の間際まで、学生たちはAstra Managerの順番待ちだという。

過去の変更に対応したユニバースの基準日

        柳瀬典由教授

もともとAstra Managerは、教授が学術研究のために利用していた。経営学部の柳瀬典由教授は、「細かいところまできちんと作りこんでおり、まさに痒いところに手の届くような仕様だ。データの種類も充実しており、研究用途では最も使えるサービス」と話す。全上場銘柄からユニバースを設計するため、とくにユニバースの基準日の持ち方は助かっているという。ある時点で特定の属性を切り出すことがとても簡単にできるためだ。例えば過去10年間の毎年3月末時点で食料品業の全銘柄のデータを取得する場合、途中で業種が変わったり、決算期変更したりした銘柄があっても、複雑な論理式を入力するなどの手間を掛けなくても、指定した時点での正しいデータを取得することができる。

良いサービスなので学生の教育に

Astra Managerは教授の研究だけでなく、学生の教育にも役立っている。教授が使い方に慣れたことで、「せっかく良いサービスがあるのだから学生にも利用させよう」と、1年生向けの基礎科目のなかで、Astra Managerを活用する内容の講義を組んだ。これは、大学版の「読み・書き・そろばん」ともいうべき講義で、40人ほどを対象にした企業財務分析入門だ。理系では実験などが頻繁にあるが、文系ではそういった体験をすることが少ない。そこで、文系の講義でも、「素材に触れているうちに思いがけない発見がある」ことを味わってもらおうと考えた。実際、膨大なデータやリアルタイムデータは魅力的で、企業財務やマーケットのデータに接しているうちにリアルワールドの雰囲気を味わい、高校までの勉強と違って「社会を変えるような凄い関係を偶然発見できるかもしれない」と、学生に感じさせることができる。

まずはマーケットデータの「プール」に飛び込ませる

もちろん、1年生の学生はデータベースの使い方以前に、そもそも企業財務やマーケットのデータの意味がわかっていないことが多い。この授業では、例えば泳ぎを教える前に、まずは企業財務やマーケットデータに溢れた「プール」のなかに学生を放り込んでみる。そのうち、学生一人一人の中に、「会社の数字」や「市場の数字」の意味をもっと知りたいという欲求や本能が動き出す。すると、経営や会計、統計など重要な基礎科目に対する勉強の意味や興味が増す。こうした「プール」へ投げ込むのは、できるだけ早い方が良い。
 初回の授業ではAstra Managerは利用しない。「四季報」や「日経会社情報」を片手に、「会社の数字」や「市場の数字」の基本的な読み方を教員が教える。次に3、4人でグループを組み、「良い企業ランキング」を作成、発表してもらう。そこでは、さまざまな課題が浮かび上がる。データの意味を本当に理解しているのか、「良い企業」とは株主や従業員など誰にとっての「良い」なのかーー。新たな視点が生まれ、企業財務データを分析する必要性や何を学ばなければならないのかが、次第に実感されてくる。数字を利用しながら、必要なツールはなんだろうという意識が生まれてくる。比較する企業の数も3社では足りず30社に増す。さらに業種も広げ、1500社ものデータをExcelに手入力したりする。質でなく量を求めて手を動かすことを繰り返す。

限界を感じ、Astra Managerの価値を体感

こういった過程で興味を持って、さらに分析をしたいという学生は受講者40人のうち10%から15%くらいか。10人もいれば大成功だ。そして、いよいよ最後にAstra Managerを教える。一気に本格研究モードになる。ままごとレベルの学問があっという間に、クオンツと同じフィールドになる。必ず、「もっと早く教えてくれれば良かったのに」という声が出るが、最初から利用すると有難みがわからない。一瞬で全上場企業の財務データを取得できるAstra Managerの価値を身に染みて感じることができる。そのためには、まず限界を感じてもらうことが必要だ。
 もちろん、ひとつひとつ手入力すると、データのくせや業界ごとの特徴など身をもって感じ取ることができる。そのため、いつ、どのタイミングでAstra Managerを授業に投入するかが重要だ。あとは学生が自ら、QUICKに問い合わせをしたり、お互いに教え合ったりして自分たちでAstra Managerを利用している。知りたいと思って触って、失敗して、繰り返し何度もチャレンジする。財務データを取得し、加工することで、数字と理詰めの面白さを経験する。

「Astra Managerとデータは裏切らない」

Astra Managerを利用するのは早めの段階が良い。彼らはまだ経済について十分理解していなくてもゲーム感覚で使っており、「Astra Managerを触ってみたら、意外にはまった」との声が多い。その後も、ゼミに入り、他の同級生に使い方を教えるなど、利用者の裾野が広がっている。ゼミでも論文を書くための条件のひとつとして、「エビデンスとしてデータを利用する」ことを挙げている。経済や経営を勉強する上で、企業の財務データやマーケットデータは基本だ。ある女子学生は「男の子は信用できないけど、Astra Managerとデータは裏切らない」と名(迷)言を残して卒業した。

2013年3月末時点での東証1部食料品の全銘柄のデータなど、「ユニバース基準日」を指定すれば、市場・業種・指数採用銘柄など任意のユニバースの指定した時点のデータを取得することができます。

導入大学プロフィール

2020年に創立120周年を迎える東京経済大学は、4学部6学科、大学院4研究科からなる社会科学系総合大学。社会の現実や変化を積極的に学ぶことを重視し、将来を見据え新しい物事に取り組むチャレンジ精神「進一層」を建学の理念としている。1年次は学部に所属せず4学部の基礎を学び、2年次から選択した学部に所属する新しいタイプの学び方ができる「キャリアデザインプログラム」が2017年4月に誕生。さらにキャリアの東経大ならではの強みを生かした、きめ細かいキャリア支援により明確な将来設計が可能です。また「ゼミ教育」も特徴の一つで、1年次の入門ゼミから、全学部・総合教育の専門ゼミまで少人数で学生主体となって学びを深めています。

大学名 東京経済大学 略称 TKU
学長 堺 憲一 開校 1900年
学部学生数 6,588名(2016年5月) 就職率 93.6%(2015年度)
所在地 東京都国分寺市南町1-7-34(国分寺キャンパス)

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