エピック・パートナーズ・インベストメンツの武氏 四半期ごとの決算発表は真剣勝負

 市場全体の動きにかかわらず長期的に収益を追求する、日本株マーケット・ニュートラル戦略を採用するエピック・パートナーズ・インベストメンツ代表取締役の武英松氏の日本株に対する運用スタイルを伺った。銘柄を選ぶにあたり、あらゆるファクターを考慮するが企業業績は無視できない重要な要因で、四半期ごとの決算発表は、まさに真剣勝負だという。

QUICKコンセンサスを「市場のコンセンサス」として分析

 証券アナリストなどが対象を同業種の数社に絞って20~30年間ウオッチしても、対象企業の財務担当者と直接対話しても、1年先の各種業績をうまく見極めることは難しい。当社の場合、決算発表のタイミングを考慮して、個々の銘柄の保有期間は平均1ヶ月としている。運用対象となる銘柄も流動性は重要で、時価総額上位から絞込み、800社程度だ。

 業績予想の平均値であるQUICKコンセンサスは、提供社数の多さや信頼性と共に多くの銘柄をカバーしているので、まさに「市場のコンセンサス」として利用している。QUICKコンセンサスを構成している各社のデータを日々確認して、独自にコンセンサスの精度を高め継続的なフェアバリューを分析している。

 例えば、決算発表直後などはアナリストの業績予想が出そろっていない。同じ業種でも規模の大きい企業ほど決算発表が早い傾向にあり、そのセグメント情報を読み解くことで方向感が同じであれば、後に続く企業の大勢を占う材料となる。また、個々のアナリストや日本経済新聞の業績予想記事も、過去の結果をすべて分析し、それぞれの傾向をデータベース化し把握している。とくに日経の記事が相場に与える影響は大きく、これまでの記事の書き方にもチェックをしている。

 日々の精緻な作業の積み重ねが、次代のマーケットのテーマの掘り起しにもつながる。自動運転など次代の技術革新の芽が相場の芽になることがあり、いかに早く見出すことが出来るかに注力している。

決算発表の中継で情報格差解消へ

 企業の情報開示と証券会社の今後の開示のあり方に注視している。インターネットが普及して、企業が決算発表資料をすぐにホームページに更新するようになった。一歩進んで、決算発表の動画を中継する企業が増えると、一段と情報格差がなくなるのではないか。とくに質問に対する表情や答え方などの日本語特有の言い回しなどに、注目したい。過去分がいつでも確認できるような環境を整えてあるのが理想的だ。

 

<マーケットニュートラル>

市場全体の動きにかかわらず、中立であるような投資ポジションを持つ投資戦略のこと。
株式相場の変動による影響を極力受けないよう、市場変動指数に対するベータ値をゼロにし、個別株の固有要因によるアルファにより収益をあげる。

<QUICKコンセンサス>

企業を担当する証券会社や調査機関のアナリストの業績予想と株価レーティングをQUICKが独自の手法で平均値化し算出。

<フェアバリュー>

株式市場などにおける、株価などの「公正価格」「適正価格」のこと。

武英松(たけ ひでまつ)氏のプロフィール

エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社 代表取締役
1994年東京工業大学修士課程修了。日興證券株式会社に入社。運用開発部においてデリバティブトレーディング、CB のマーケットメイク等を経て95年から自己売買にも従事。主戦略はペアトレーディング。1999年より、現在の日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社の前身である投資運用部に配属。自己売買の他、ファンド投資、ベンチャー キャピタル業務にも携わる。2000年に日興證券を退職。同年UBS証券に入社。引き続きペアトレーディングを主戦略に、日興證券時代も含めた96年よりおよそ10年間安定的な投資収益を築き続ける。05年にUBS証券を退職。05年8月エピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社代表取締役に就任。

エピック・パートナーズ・インベストメンツのホームページはこちら